釜山に来た最大の宿題を、初日の夜に回収しに行く。横浜の韓国料理店で娘に言われた「本場を食べてほしい」——その本場の筆頭が、釜山名物ナッコプセだ。向かったのは海雲台の「ケミチプ(개미집)国際市場本店直営店」。ナッコプセの老舗として知られる一族の店で、海雲台駅から歩いてすぐの好立地にある。

ナッコプセとは——タコ・ホルモン・エビの三重奏
ナッコプセは、タコ(ナクチ)、牛ホルモン(コプチャン)、エビ(セウ)を辛いスープで煮込む釜山発祥の鍋料理。名前は3つの具材の頭文字をつないだものだ。チゲとも炒め物ともつかない独特の存在で、それぞれの具から出た出汁が渾然一体となったスープは、白飯と恐ろしく合う。


美味しい。ただ、辛い。とにかく辛い
正直に書く。日本では味わったことのない美味しさだった。そして、辛い。とにかく辛い。副菜のもやしや海苔で口の中をなだめながら食べ進めたが、それでも口の中が痛い。痛いのに、箸が止まらない。この「痛いのに美味しい」という矛盾こそが、ナッコプセの中毒性なのだと思う。

現地の流儀は、大きな器のご飯にナッコプセをかけ、海苔や豆もやしと混ぜてビビンバ風にする食べ方。出汁を吸ったご飯の旨さは、この料理の本体と言ってもいい。辛さは注文時に段階を選べる店が多いので、辛さに自信がなければ控えめから試すのが賢明だ(それでもしっかり辛い)。

宿題の答え合わせ
娘の言う「本場」は、確かにあった。横浜で食べたタコ料理とはまた別の、荒々しくて直接的な美味さ。釜山まで来て食べる価値があるかと問われれば、迷わず勧める。一度は食べてみてほしい一品だ。

この日のメモ
- 店はケミチプ 海雲台店(国際市場本店直営)。地下鉄2号線・海雲台駅から徒歩数分
- ナッコプセ=タコ・牛ホルモン・エビの辛い鍋。ご飯に混ぜてビビンバ風にするのが現地流
- とにかく辛い。副菜のもやし・海苔を上手に使い、辛さレベルは控えめからが無難
- ケミチプは1972年創業の老舗の系譜。営業時間等の最新情報は現地・公式情報でご確認を
釜山への道のりは金浦乗り継ぎ編から。この後は、店の前の大通りと海雲台伝統市場を歩く。
関連記事


Comments