2025年8月10日、日曜日の午前11時49分。葉山に着いて最初に車を停めたのは、海でも神社でもなく、国道沿いのショッピングプラザだった。目当てはひとつ、コロッケである。

葉山ステーション。濃い紺色に塗られた低い建物に、白い四角のサインが一枚。波と葉をかたどったマークの下に「SHOPPING PLAZA HAYAMA STATION」とある。手前の平屋の壁には「HAYAMA」の切り文字。ぱっと見はスーパーマーケットで、観光施設という顔をしていない。
この日は空一面が雲で、路面はまだ湿っていた。それでも入口の脇には人が並んでいる。カートを押す人、花束を抱えた人、子どもを連れた人。地元の買い物客と、あきらかに外から来た人が半々くらいに混ざっている。三角コーンと紅白のバーが導線をつくっていて、混雑する場所なのだと一目でわかった。
目当ては葉山旭屋牛肉店のコロッケ
この施設に入っている店のなかで、いちばん行列ができるのが葉山旭屋牛肉店だ。葉山牛を扱う精肉店で、そのショーケースの脇で揚げものを売っている。葉山では「コロッケといえばここ」という位置づけの店らしい。
列に並んで買ったのは2種類。特製葉山コロッケと、メンチカツ。

12時02分、車に戻ってダッシュボードの上でパックを撮った。ラベルにはこう印字されている。
- 特製葉山コロッケ 内容量2個/税込216円(本体200円)
- メンチカツ 内容量1個
- いずれも消費期限は翌日(8月11日)
- 販売者:有限会社 葉山旭屋牛肉店(ショッピングプラザ 葉山ステーション内)
透明なパックの上からでも、衣の色の濃さがはっきりわかる。コロッケは平たい小判型で、しっかり狐色。メンチカツはひとまわり大きく、衣の粒が粗い。持った瞬間に、まだ温かい。
そして、待てなかった。
このあと葉山マリーナで昼食をとる予定が入っていたにもかかわらず、車に乗り込んだその場でパックを開けてしまった。温かいうちに食べたい、という気持ちが完全に勝った。狭い車内でコロッケを手に持って齧るという、旅先でいちばん行儀の悪い時間である。そして、たいていこういうときがいちばんおいしい。
結果として、この20分後にレストランで前菜とメインとデザートを食べることになる。順番としては明らかに間違っているが、後悔はしていない。
この日のメモ
- 訪問日時:2025年8月10日(日)11:49〜12:02。天気は曇り、路面は雨あがり。
- 場所:ショッピングプラザ 葉山ステーション(神奈川県三浦郡葉山町)。国道沿いで、車でのアクセスが前提の立地。
- 混雑:日曜の昼前で、すでに入口脇に列。三角コーンで導線がつくられているくらいなので、ピーク時はもっと並ぶと思われる。時間に余裕を持って行くのが正解。
- 価格の目安:特製葉山コロッケは2個で税込216円(2025年8月時点)。手土産にしやすい価格帯。
- 消費期限:買った翌日まで。まとめ買いして何日も持たせる、という買い方はできない。
- 揚げもの以外:本業は葉山牛の精肉店。すき焼き用・ステーキ用・しゃぶしゃぶ用などが並んでいる。
- 営業時間:葉山旭屋牛肉店の本店は9:30〜19:00・水曜定休(葉山町公式サイトより)。葉山ステーション店は施設の営業時間に準じるので、行く前に確認を。
- 食べる場所:イートインではなく持ち帰り前提。車で来ているなら車内で食べることになるが、このあと食事の予定があるなら量に注意(実際に失敗した)。
コロッケを買うためだけに立ち寄って13分。それでも、旅先で「地元の人が並んでいる列に自分も並ぶ」という時間は、観光地を回るのとは別の手ざわりがあって嫌いじゃない。
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