南浦洞の屋台はしごのあと、海雲台へ戻ってこの日の締めへ。選んだのは「オムヨンベク(嚴勇伯)」海雲台店。釜山で「理想のテジクッパ」を掲げて人気を集めるブランドだが、ここではクッパではなく、豚の焼き物——テジクイが主役である。

ホテルが立ち並ぶ一角に、曲線を描く木の壁がぽっと灯る。中に入ると、ドラム缶を仕立てたテーブルの上に排気ダクトが降り、夕方だというのにほぼ満席。人気店であることは、席に着く前から分かった。

メニューは潔い。モクサル(肩ロース)、オギョプサル(皮付きの三枚肉)、ハンジョンサル(豚トロ)といった部位が130g単位で並ぶ。この日はモクサルとオギョプサルを注文した。

厚切りの肉は、店員が焼いてくれる
運ばれてきた肉は、日本の焼肉の感覚からすると驚くほどの厚切りで、表面に塩がきらりと光る。焼きはスタッフのお任せだ。トングとハサミで手際よく面を返し、火の通りを見極めて、食べ頃だけが皿に戻ってくる。かぶりつくと、モクサルは肉の味が濃く、オギョプサルは皮目の香ばしさと脂の甘みが際立つ。じっくり焼かれた厚切りは、薄切りとは別の食べ物だと思う。


副菜の多さが、この店の楽しさ
そして、この店の楽しさは副菜にある。青唐辛子とにんにく、赤いたれをまとったキムチ、豆腐皮、薬味だれ——卓の上に小皿が次々と並び、同じ肉でも組み合わせ次第で味がころころ変わる。あれこれ試しているうちに、ビールのグラスが空くのもあっという間だった。

混雑ぶりも納得の、美味しい夜だった。海雲台の夜風に当たりながらホテルへ戻る。釜山2日目——龍宮寺の海から甘川の坂、南浦洞の屋台まで、よく歩き、よく食べた一日だった。
この日のメモ
- オムヨンベク(엄용백)は「理想のテジクッパ」を掲げる釜山発の人気ブランド。海雲台店では豚焼き(テジクイ)が主役
- 肉はモクサル(肩ロース)・オギョプサル(皮付き三枚肉)・ハンジョンサル(豚トロ)など130gずつ。1皿15,000〜17,000ウォン前後(訪問時点)
- 焼きはスタッフにお任せ。厚切りをじっくり焼いてくれるので、慌てずに副菜と組み合わせを楽しむのが吉
- 夕食時はかなりの混雑。早めの入店か、待ち時間覚悟で
- 海雲台エリアの情報は釜山観光公社の公式サイトを参照(情報は訪問時点のもの)
※2026年8月訪問。価格・営業情報は訪問時点のものです。
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