石窟庵から山を下りて、仏国寺(プルグクサ)へ。石窟庵と同じく751年に金大城が造営を始め、同じく1995年に世界遺産に登録された、新羅仏教文化の中心地である。千年の都・慶州で王たちが庇護したこの寺を歩いていると、当時の栄華が石の一つひとつから立ち上がってくるようで興味深い。


平日の月曜日だったが、境内にはそこそこの人出があった。聞けば、2025年にAPEC首脳会議が慶州で開かれた影響もあって、観光客が増えているのだという。

10ウォン硬貨の塔に、本物で出会う
本堂・大雄殿の前庭には、対をなす2基の石塔が建つ。簡素で力強い釈迦塔と、繊細な装飾を重ねた多宝塔。この多宝塔こそ、韓国の10ウォン硬貨に刻まれている塔である。韓国の人にとっては「いちばん有名な塔」と言っていい存在に、実物で出会う。硬貨の中の線画が、目の前で立体になる感覚が面白い。


石を積む手、睡蓮の池
境内の裏手には、参拝者たちが願いを込めて重ねてきた石積みが無数に並ぶ場所があった。旅の記念に、家族で1石ずつそっと積んでくる。倒さないように息を詰める数秒間が、なんだか祈りに似ていた。

出口へ向かう道すがらの庭園も、この寺の見どころだと思う。アーチ型の石橋が水面に映る池には、8月の睡蓮が静かに咲いていた。豪壮な伽藍と、この静けさのコントラストがいい。


この日のメモ
- 仏国寺(プルグクサ)は新羅時代の751年に金大城が造営を始めた寺院。1995年に石窟庵とともにユネスコ世界文化遺産に登録
- 見どころは大雄殿前の2基の石塔。装飾的な多宝塔(国宝)は10ウォン硬貨のデザインにもなった、韓国で最も知られた塔のひとつ
- 境内は庭園も美しく、8月は池に睡蓮が咲く。ゆっくり回って1時間半〜2時間
- 2025年にAPEC首脳会議が慶州で開催された影響もあってか、観光客は増えているそう。平日でもそれなりの人出
- 開場時間等は慶州市の公式観光サイトで確認を(情報は訪問時点のもの)
世界遺産を2つ巡ってお腹が空いたら、慶州の街なかへ。昼はミルミョン(小麦冷麺)である。
※2026年8月訪問。価格・営業情報は訪問時点のものです。
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