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麻布台ヒルズのリストピッツァ バイ ナポリスタカ|生地は柔らかい。好みが分かれる十数席の店

美食・飲料

2025年4月26日、18時39分。麻布台ヒルズのタワープラザ3階、「リストピッツァ バイ ナポリスタカ」でディナーを食べました。ディナーの営業開始が18時なので、ほぼ最初の回です。

麻布台ヒルズという巨大な再開発の中にありながら、店内はわずか十数席。この落差が、この店をおもしろくしています。

大きな街の中の、小さな店

麻布台ヒルズは、東京タワーの足元にできた大規模複合施設です。オフィス、住宅、店舗、ギャラリーが積み重なっていて、館内を歩いているとスケールに圧倒されます。

その3階にあるこの店は、公式の案内によると店内16席、テラス20席。数字だけ見ると、ちょっとしたカフェの規模です。

ナポリの「NAPOLI STA CA」のオーナーでピッツァイオーロのペッペがプロデュースした店で、リストランテとピッツェリアを融合させた、というのが看板の掲げ方。ピッツァだけの店ではなく、パスタもワインも出す構えです。

黒い大理石のカウンターと、一本の瓶

黒い大理石のカウンターに置かれた瓶ビールとグラス、真鍮のテーブルランプ

席に着いてまず目に入るのが、この黒い大理石です。白い筋が走った重たい石で、天板の端に真鍮のテーブルランプが立っています。ナプキンは折りたたまれ、カトラリーの柄は金色。

ピッツェリアという言葉から連想する、赤白チェックのテーブルクロスとは正反対の設えです。薄暗くて、艶があって、静か

置かれているのは茶色の小瓶と、脚のついたグラス。ラベルは白地に黒い同心円のマークだけという、そっけないデザインでした。注がれたのは澄んだ琥珀色。

この店はカウンター席でペアリングを楽しめることを売りにしていて、実際、カウンターに一本の瓶とグラスが置かれている絵は、そのコンセプトそのものでした。

皿に、店の名前が入っている

RistoPizza by Napoli sta caのロゴが入った白い皿。縁に黒とオレンジの点模様

食べ終わったあとの皿です。

細長い白磁の皿で、縁にぐるりと黒とオレンジの点が打たれている。中央には筆記体で「Risto Pizza」、その下に「BY NAPOLI STA CA」。

この点々の縁取りは、南イタリアの焼き物によく見る意匠です。店内の黒い大理石はモダンで都会的なのに、皿だけはナポリの空気を持ち込んでいる。石は東京、皿はナポリという組み合わせが、この店の立ち位置をよく表していると思いました。

奥にはワイングラスと、緑色のサンペレグリノの瓶。カウンターの向こうには酒瓶が並んでいます。

生地は柔らかかった。ここは好みが分かれる

正直に書いておきます。この店の生地は、私の好みではありませんでした。柔らかいのです。

ただ、これは店の欠点ではありません。ナポリのピッツァは本来そういうものだからです。非常に高温の窯で短時間で焼き上げるため、縁(コルニチョーネ)はふくらんで軽く、中心は薄くしっとりと仕上がる。皿の上で持ち上げると、先が垂れるくらい柔らかい。それがナポリの正解です。

一方で私が好きなのは、薄くて、噛んだときに小麦の香りと旨味が立ってくる生地です。生地そのものの味を主役に感じたいタイプ。この二つは、優劣ではなく方向がまるで違います。

だから「おいしくなかった」という話ではありません。ナポリの正解と、私の好みが一致しなかった、というだけです。ここは間違えて伝えたくないところです。

逆に言えば、もちもちした柔らかいピッツァが好きな人にとっては、この店は狙いどおりということになります。ナポリのピッツァイオーロがプロデュースしている以上、生地がその方向に振れているのはむしろ当然で、選ぶ側が自分の好みを知っていればミスマッチは起きません。

ピッツェリアを選ぶときは、店の評判を調べる前に「自分は薄いのが好きか、もちもちが好きか」を決めておくといい。今回のことで、あらためてそう思いました。

この日のメモ

  • 訪問:2025年4月26日(土)18時半すぎ。ディナー営業の開始直後。
  • :リストピッツァ バイ ナポリスタカ(RistoPizza by Napoli sta ca)。麻布台ヒルズ タワープラザ3階
  • 席数:店内16席、テラス20席(麻布台ヒルズ公式の記載)。とにかく小さい店なので、行き当たりばったりは避けたほうがいい。
  • 予約ディナーのみ予約可。ランチは予約を受け付けていません。
  • 営業時間:11:30〜15:00(L.O.14:00〜14:30)/18:00〜22:30(L.O.21:30、金曜は22:00)。定休日は月曜(月曜が祝日の場合は火曜)。
  • 価格帯:ランチ 3,200〜6,000円、ディナー 7,000〜10,000円(公式の目安)。
  • カウンター席:ペアリングを楽しむならここ。黒い大理石のカウンターは、写真映えという意味でも席の当たりです。
  • アクセス:東京メトロ日比谷線 神谷町駅から麻布台ヒルズへ直結。館内は広いので、タワープラザの3階を目指すこと。

麻布台ヒルズは、目的の店にたどり着くまでが一苦労な場所です。それでも3階のこの一角まで来ると、急に人の密度が下がって、静かになる。大きな施設の中に小さな店を探しに行くという体験そのものが、この店の一部だという気がしました。

※営業時間・席数・価格は訪問時点および公式サイト掲載の情報です。最新は公式サイトでご確認ください。

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