【バンコク】セントレジスに四泊した。窓の外が一面の芝で、そこに夕陽が落ちる

セントレジスに四泊した。窓の外が一面の芝で、そこに夕陽が落ちる 旅行

四泊した。窓の外に緑が一面あって、そこに夕陽が落ちる。この部屋の印象は、ほとんどそれで決まっている。

セントレジス・バンコクの客室。手前にソファとひじ掛け椅子、奥にベッドと書き物机

部屋に入ったのは、夕方六時

到着した日、部屋に入ったのは午後六時ちょうどだった。

手前にソファとひじ掛け椅子、丸いサイドテーブル。その奥に書き物机があって、いちばん奥がベッドになっている。床は濃い色の木で、寝る場所と座る場所が地続きのまま緩く分かれている造りだ。

荷ほどきもそこそこに、そのまま食事に下りた。

客室に置かれたウェルカムフルーツと、木のトレーにのった三つの菓子

置いてあったのは、果物と三つの菓子

テーブルには果物の器が置かれていた。脇に小さな観葉植物、その手前の木のトレーにオレンジ色の菓子が三つ。到着したその日から、部屋の中に色があった。

窓の外が、一面の緑だった

朝食の席から見える一面の芝と、その向こうのバンコクの街並み

セントレジス・バンコクは2011年4月開業。地上47階建てで、客室227室(うちスイート51室)と53戸のレジデンスからなる。バトラーサービスは全宿泊者が対象だ。ホテルの前には、ロイヤル・バンコク・スポーツクラブが広がっている。競馬場とゴルフコースが一体になった敷地で、都心の真ん中にぽっかりと緑が空いている。

このクラブは1901年9月6日の設立で、当時の国王ラーマ5世がクラブ設立の申請を承諾したことから始まっている。目的は、馬の繁殖水準を上げること、競馬を開催すること、世界水準のスポーツ施設を用意すること。つまり窓の外の緑は、120年以上前から緑のままここにある。

競馬場は左回りの芝コースで、1周1,740m、幅は25m、ゴール前の直線が375m。その内側に調教用のダートコースがある。部屋の窓から見ていたあの芝は、1,740mのオーバルだったということになる。開催は月に2回ほど、基本は日曜日だという。四泊のあいだ、馬が走っているところは見ていない。

部屋からも、朝食の席からも、それが正面に見える。バンコクという都市を高いところから見ると普通は建物が詰まっているのだが、ここだけは違う。夕方になると、その緑の上に日が落ちていく。

その時間帯に、館内でサーベリングを見た。サーベルでシャンパンの瓶の首を落とす、あの儀式だ。これはセントレジスのブランドの作法で、創業者のジョン・ジェイコブ・アスター4世が、昼から夜への移行を示すために始めたものだとされている。窓の外で日が落ちるのと、館内で瓶が開くのが、同じ時刻に起きている。偶然ではなく、そういう設計なのだと後から分かった。

朝食会場のビュッフェカウンター

朝の七時前には、もう明るい

朝食は七時前から取った。ビュッフェのカウンターが並び、窓際の席からは昨日と同じ緑が見える。

記憶に残っているのは、その場で作ってくれる卵料理と麺だ。並んでいる皿を取るのではなく、頼んでから作られるものが一品あると、朝食の輪郭がはっきりする。四日のあいだ、だいたいそこへ寄った。

三日目の朝も、四日目の朝も、同じ席から同じ景色を見た。旅先で同じ景色を何度も見るというのは、悪くない。日ごとに天気が違うので、同じ窓でも違って見える。

夜のホテル館内。青い花が生けられた通路

夜と朝の、同じ場所

夜の館内は照明が落ちていて、通路に大きな青い花が生けてある。

早朝の通路。石の壁と、生けられた青い花

最終日の朝、六時五十分に同じ場所を通った。花はそのままで、光だけが変わっている。

四泊もすると、館内の順路が体に入ってくる。どこを曲がればどこに出るかが分かるようになって、そのころに発つことになる。

セントレジスという名前が連れてくるもの

このブランドは1904年のニューヨークに始まる。創業したのが、先のジョン・ジェイコブ・アスター4世だ。いま世界中のセントレジスが共通して持っている作法——バトラー、夕方のサーベリング、ブラッディマリー——は、そのニューヨークの一軒から出ている。

バトラーが何をしてくれるかというと、荷解きと荷造り、飲み物のサービス、衣類のプレスなど。全宿泊者が対象だと聞いていたが、私はとくに接点を持たないまま四泊を終えた。頼めばよかったのかもしれないし、頼まなくても困らなかったというのが正直なところでもある。

ブラッディマリーは1934年にニューヨークのキングコール・バーで生まれたとされていて、各地のセントレジスがそれぞれのご当地版を持っている。バンコク版の名前は「Siam Mary」。これは飲んでいない。次に泊まることがあれば、夕方のサーベリングを見てから一杯、という順番にしたい。

この滞在のメモ

  • セントレジス・バンコク。159 Rajadamri Road、BTSラチャダムリ駅前
  • 2011年4月開業。地上47階、客室227室(スイート51室)+レジデンス53戸。バトラーサービスは全宿泊者が対象
  • ホテルの正面はロイヤル・バンコク・スポーツクラブ。客室・朝食会場から一面の芝が見える
  • アンドレアス・カミナダのIGNIV Bangkokが入っている。ミシュラン一つ星を2022年に獲得し、2026年版まで維持。夕食に外へ出る必要がない
  • 屋外プール、スパ、ラウンジのアフタヌーンティーがある
  • この滞在は2025年8月21日から25日までの四泊
  • 客室タイプ・設備・料金は変わることがあるので、予約時に確認を

滞在中の記録は一階のIGNIV、屋外プール、ラウンジのアフタヌーンティー、スパに分けて書きました。

※2025年8月宿泊。設備・料金情報は宿泊時点のものです。ロイヤル・バンコク・スポーツクラブの設立年とコースの規模はジャパン・スタッドブック・インターナショナルの資料、セントレジスの創業年・創業者・バトラーの業務内容・サーベリング・ブラッディマリーの由来とバンコク版の名称は公開されている解説記事で確認しました。

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