マンダリン オリエンタル 東京に泊まった。結論から書くと、このホテルの印象は38階に上がった瞬間に決まる。
車を預けた地上では少し身構えていた。それがエレベーターでフロントのある38階に着いた途端、ほどけた。同じ建物の中で、これほど空気が変わる場所はあまりない。
駐車場では、少し身構えた
到着してまず車を預ける。並んでいるのはブガッティやフェラーリで、こちらはGLCクーペだ。それだけで少し萎縮した。
応対してくれた係の人は、悪くはないのだが、どこか硬い。急かされているわけでもないのに、こちらが整えられている感じがある。バレーパーキングそのものは好きで、そのために車で行くこともあるくらいなのだが、ここでの数分は少し緊張した。
このとき私は「ここはホテルではなく、ビルの駐車場なのだろう」と考えていた。日本橋三井タワーという大きなビルの中にホテルが入っている構造なので、駐車場はビル側の管轄で、サービスの質も別なのだろうと。
ただ、あとで公式サイトを見たら、そこには「ホテルゲストに限らず、駐車は全てホテルエントランスにてバレーパーキングとなります」と書いてあった。つまり私の推察は外れていたことになる。料金は宿泊で1泊6,500円、一般利用は30分500円。レストランやスパの利用額に応じて無料になる時間も設定されている。
だとすると、あの硬さは体制の違いではなく、その日その人の間合いだったのかもしれない。書いておくが、これは私がそう感じたというだけの話だ。
38階に上がると、空気が変わる
ホテルに入ると、スタッフが荷物をすべて持った。当たりが柔らかい。さっきまでの緊張がここで切れる。

このホテルはフロントが38階にある。エレベーターのドアが開くと、赤いもみじを無数に吊り下げたモニュメントが立っていた。木の格子と行灯のような照明に囲まれていて、美しかった。
客室は30階から36階、スパは37階。大手町の33階にあるアマン東京のラウンジもそうだが、東京の高層ホテルは「上がりきったところに受付がある」造りを取ることが多い。地上の喧騒と切り離すための構造なのだと思う。
ウェルカムドリンクの台があり、この日は日本酒とノンアルコールカクテルだった。日本酒をいただく。柔らかく、甘みを感じる酒で、獺祭を思い出す方向の味だった。
見回すと、客は欧米からの旅行者がほとんどだった。日本橋という立地と、ここからの眺めを考えれば納得がいく。
フロントの人も柔らかかった。一人がたまたまそうだった、という感じではなく、建物に入ってから会う全員に同じ色が通っている。こういうのは、だいたい末端に出る。
チェックインした人が、そのまま部屋まで案内してくれた
フロントで対応してくれたスタッフが、手続きを終えたあと、そのまま客室まで案内してくれた。
これは珍しい。普通はフロントで鍵を渡されて終わるか、別のベルスタッフに引き継がれる。担当が替わらないというだけのことなのだが、受ける側としては、途中で話が切れない。
角部屋は、窓が二面ある

部屋はデラックス系の角部屋。半年ほど前から予約していた。
広さそのものは突出していない。効くのは窓だ。角部屋なので二面が窓になっていて、部屋のどこにいても外が視界に入る。昼のあいだ、照明をつけた記憶がない。

見えるのは北東の東京だ。ビルが地平まで続いて、左奥に東京スカイツリーが立っている。都心の南側を見下ろす部屋は多いが、この方向を正面から見られる高層ホテルは案外少ない。初めて東京に来た人が泊まるなら、この向きは悪くないと思う。

クローゼットは十分な広さがあった。スーツケースの中身を全部出しても余るくらいで、連泊するときにここが足りるかどうかは、滞在の快適さをかなり左右する。

冷蔵庫には一通りの飲み物が入っている。目を引いたのは、ワインが赤白ともにボトルで置いてあることだ。グラスもソフトドリンク用からシャンパン用、ワイン用まで揃っていた。
日本のホテルの客室はハーフボトルか、そもそもワインを置かないことが多い。部屋で一本開ける前提になっているのは、欧米からの滞在客が多いことと無関係ではないだろう。
廊下が静かなのは、絨毯のせいでもある

客室フロアの廊下が、とにかく静かだった。
木目の壁と間接照明という造りもあるが、効いているのは絨毯の柔らかさだと思う。足音が吸われるので、自分が歩いている音すら聞こえない。防音は壁の仕事だと思われがちだが、廊下の静けさは床で決まる。
料金の目安:角部屋は標準より5〜6割高い
私は半年ほど前に予約しているので実際の支払額は別になるが、相場の目安を調べておいた。記事作成時点で、12月の平日1泊を宿泊予約サイトで見ると、おおむねこういう並びになる(ドル建て表示・税別)。
- デラックス(ツイン):1泊約950〜1,000米ドル
- デラックスプレミア(キング):約1,000米ドル
- デラックスキング(コーナー):約1,550米ドル
- スイート:約1,740米ドルから
つまり角部屋は、同じ日の標準的なデラックスより5〜6割高い。この記事で書いてきた「窓が二面ある」ことに対して払う差額が、おおよそこの規模ということになる。
その差額を出す価値があるかどうかは、滞在の使い方による。寝るだけなら標準のデラックスで十分だと思う。昼間を部屋で過ごすなら、二面の窓はそれなりに効いてくる。
なお、宿泊料金は時期と曜日で大きく動く。ここに書いたのはあくまである一日を調べたときの数字で、予約の際は必ず最新を確認してほしい。
ミシュランキーは1キー
このホテルはミシュランキーを1つ獲得している。ミシュランガイドの公式ページで「One MICHELIN Key・A very special stay」と記載されている。レストランの星に相当する、ホテルの格付けとして始まった制度だ。
泊まってみて、この評価には納得した。名前だけが立派で中身が追いついていないホテルもあるなかで、ここは建物に入ってから出るまで、同じ水準が続いていた。頭ひとつ出ている、というのが正直な感想だ。
アクセスと基本情報
- 住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1(日本橋三井タワー)
- 開業:2005年12月2日
- フロア構成:フロント38階/スパ37階/客室30〜36階
- 客室数:179室(うちスイート22室)
- 料金の目安:デラックス1泊約950〜1,000米ドル、角部屋(デラックスキングコーナー)約1,550米ドル、スイート約1,740米ドルから(税別・記事作成時点に12月の平日を調査)
- アクセス:JR総武本線 新日本橋駅から地下通路直結/東京メトロ銀座線・半蔵門線 三越前駅(A7・A8出口)直結/JR東京駅 八重洲口から徒歩8分/JR神田駅 南口から徒歩7分/東京メトロ東西線・都営浅草線 日本橋駅(B12出口)から徒歩7分
- 駐車場:宿泊客に限らず全てホテルエントランスでのバレーパーキング。宿泊6,500円/1泊、一般500円/30分。レストラン・スパ・宴会の利用額に応じた無料時間あり
- 評価:ミシュランキー 1キー
まとめ
- 印象は38階で決まる。地上で身構えても、フロントに上がるとほどける
- 駐車は全員バレー。宿泊は1泊6,500円で、一般利用は30分500円
- フロントでチェックインした担当者が、そのまま客室まで案内してくれた
- 角部屋は窓が二面。北東方向で、左奥に東京スカイツリーが見える
- ただし角部屋は標準のデラックスより5〜6割高い。寝るだけなら標準で十分
- 冷蔵庫のワインが赤白ともボトル。グラスもシャンパン用まで揃う
- 客室フロアの廊下が静か。絨毯が足音を吸う
- ミシュランキーは1キー
よくある質問(料金・駐車場・フロア・アクセス)
宿泊料金はどれくらいですか
記事作成時点で12月の平日1泊を調べると、デラックス(ツイン)が約950〜1,000米ドル、デラックスプレミア(キング)が約1,000米ドル、角部屋にあたるデラックスキング(コーナー)が約1,550米ドル、スイートが約1,740米ドルからでした(いずれも税別・ドル建て表示)。角部屋は標準的なデラックスより5〜6割高い計算になります。時期と曜日で大きく動くため、予約時に最新をご確認ください。
フロントは何階にありますか
38階です。エレベーターで上がりきったところにフロントがあり、赤いもみじを吊り下げたモニュメントが置かれていました。スパは37階、客室は30〜36階に配置されています。
駐車場はありますか。料金は
あります。ただし自分で停める形式ではなく、公式サイトによれば「ホテルゲストに限らず、駐車は全てホテルエントランスにてバレーパーキング」となります。料金は宿泊が1泊6,500円、一般利用が30分500円。スパのトリートメント中は無料、宴会・婚礼は4時間まで無料、レストランは利用額に応じて無料時間が変わります。最新は公式サイトでご確認ください。
最寄り駅はどこですか
JR新日本橋駅から地下通路で直結、東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅もA7・A8出口から直結しています。JR東京駅の八重洲口から徒歩8分、JR神田駅の南口から徒歩7分、東京メトロ東西線・都営浅草線の日本橋駅B12出口から徒歩7分です。
角部屋からは何が見えますか
私が泊まった部屋は北東向きで、ビルが地平まで続き、左奥に東京スカイツリーが立っていました。二面が窓になっているので、部屋のどこにいても外が視界に入ります。向きは部屋によって変わるため、眺めを重視するなら予約時に確認するのが確実です。
ミシュランキーは獲得していますか
1キーです。ミシュランガイドの公式ページに「One MICHELIN Key・A very special stay」と掲載されています。
客室の冷蔵庫には何が入っていますか
日本酒、ソフトドリンク、ミネラルウォーターに加えて、ワインが赤白ともにボトルで入っていました。グラスもソフトドリンク用からシャンパン用、ワイン用まで揃っています。内容は変わることがあります。
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※2026年10月宿泊。フロア構成・客室数・開業日はホテル公開情報、駐車場料金とアクセスは公式サイト、ミシュランキーはミシュランガイド公式ページで確認しました。宿泊料金の目安は記事作成時点に宿泊予約サイトで、12月の平日1泊を検索した結果で、私の実際の支払額ではありません。料金・設備は変わることがあるため、最新は公式サイトでご確認ください。

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