結論から書く。五稜郭は、上から見ないと何も分からない。
地上を歩いても、そこにあるのは堀と土塁と木立だ。あの星形は、人間の目線の高さからは絶対に見えない。だから隣に高さ107メートルのタワーが建っている。観光施設としてあざといようでいて、これはきわめて合理的な建築だと思う。

展望台は地上90メートル
タワーの高さが107メートル、展望2階が地上90メートルの位置にある。エレベーターで上がると、全面ガラスのフロアに出る。
天井まで届く窓がぐるりと回っていて、どの方向にも視界が抜ける。床から天井までの開口なので、堀のすぐ真下まで見下ろせる。

上から見た五稜郭
そして、見える。
水をたたえた堀が、きれいな五芒星の形に切り取られている。訪れたのは11月のはじめで、郭内の木々が色づいていた。緑と赤と黄が星形の内側に収まっていて、輪郭が余計にはっきり出る。
写真で何度も見ていた形だったが、実際に真上から見ると印象が違った。これは城ではなく、設計図だ。角を突き出させて死角を消すという西洋式の築城思想が、そのまま地面に描いてある。幕末に江戸幕府が築き、のちに箱館戦争の舞台になった場所である、という背景が、形を見るだけで腑に落ちる。

展望フロアには歴史回廊がある
展望フロアの中央に「五稜郭歴史回廊」という展示がある。築城当時の模型やジオラマ、資料が並んでいて、窓の外の景色と照らし合わせながら読める構成になっている。
景色を見て、振り返って展示を読んで、また窓に戻る。この往復ができるのが、独立した資料館とは違うところだ。滞在時間は思っていたより長くなった。


函館山も、海も見える
五稜郭の反対側を向くと、函館の市街地の向こうに函館山のシルエットが寝ている。
函館山は夜に上がる場所だと思われがちだが、昼にここから形を見ておくと、夜に山の上から見下ろしたときに位置関係が分かる。どこが湾で、どこが市街で、自分がどちらを向いているのか。昼と夜を両方見ると、函館という街の地形がつながる。

観光タクシーという選択肢
ここが今回いちばん書いておきたいことだ。
五稜郭へはタクシーで向かったのだが、運転手の方がそのまま観光タクシーとして案内についてくださった。走りながら、着いてから、歴史や背景を説明してくれる。
これが思いのほか効いた。展示を自分で読むのと、地元の人が話すのとでは、入ってくる情報の密度が違う。何を見ればいいか先に分かっている状態で展望台に上がるので、同じ景色でも見え方が変わる。質問もできる。
函館は観光地が市街に散っていて、市電で回ると乗り換えと待ち時間が積み上がる。限られた日数で五稜郭と元町と函館山を回るつもりなら、半日だけでもタクシーに任せるのは検討する価値がある。後述の函館山も、結果的にタクシーが正解だった。
基本情報
- 所在地:北海道函館市五稜郭町43-9
- タワーの高さ:107メートル(展望2階は地上90メートル)
- 営業時間:9:00〜18:00
- アクセス:市電「五稜郭公園前」電停から徒歩約15分
- 展望フロア:五稜郭歴史回廊(模型・ジオラマ・歴史資料)
- 1階:アトリウム、カフェスタンド、売店、レストラン
まとめ
- 星形は地上からは見えない。タワーに上がるのは観光地のお約束ではなく必然
- 11月初旬は郭内が色づく。星形の輪郭がはっきり出る時期
- 展望フロアの展示と景色を往復できる。滞在時間は長めに見ておく
- 観光タクシーが効く。同じ景色でも、背景を聞いてから見ると違う
- 函館山は昼にここから見ておく。夜に上がったときの位置関係が分かる
よくある質問
五稜郭タワーに上らないと星形は見えませんか
見えません。地上からは堀と土塁しか見えないので、形を見るには展望台が必要です。
展望台の高さは
タワーの高さが107メートル、展望2階が地上90メートルの位置にあります。
市電で行けますか
行けます。市電「五稜郭公園前」電停から徒歩約15分です。
どれくらい時間が必要ですか
展望フロアに歴史回廊という展示があり、景色と展示を往復できるので、想定より長くなります。1時間程度は見ておくとよいと思います。
観光タクシーは頼めますか
私の場合はタクシーの運転手の方がそのまま案内についてくださいました。函館は観光地が散っているので、半日だけでも任せる価値があります。
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出典
- タワーの高さ・展望台の高さ・営業時間・所在地・展示内容:北海道観光公式サイトの施設情報
- その他は2026年11月の訪問時の実見にもとづく


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