この旅でいちばん記憶に残っている一皿は、高級店のものではなかった。ショッピングモールの中の、麺の店で食べたパッタイだ。

アイコンサイアムの、緑だらけの中へ
昼過ぎにアイコンサイアムに着いた。広場に金色のアーチが立ち、その背後に高層のタワーが伸びている。曇りの、蒸した日だった。

中に入ると、天井から緑が垂れ下がっている。編み込みの意匠が広がり、太い柱が立つ。屋内なのに、屋外の市場を歩いているような造りになっている。

青緑の鎧戸の店に入る
入ったのは「รสนิยม(ロスニヨム)」という店。入口は青緑の鎧戸で囲われていて、奥のネオンには Thai street food、Noodles と出ている。麺を出す店だ。

メニューは写真が大きく載っていて、指させば伝わる。前菜のページには、舟形の皿に載った揚げ物や焼き物が並んでいた。

まずビールを頼んだ。ジョッキの生と、瓶のチャーン。昼から飲むビールが、この気候にはよく合う。
柔らかい麺と、シャキシャキのもやし
そしてパッタイが来た。
うまかったのは、麺そのものよりも組み合わせのほうだ。パッタイの麺は柔らかい。そこに、もやしのような野菜が添えられている。これがシャキシャキしていて、噛むたびに麺の柔らかさとぶつかる。柔らかいものと硬いものが交互に来るので、最後まで飽きない。
食感で食べさせる料理なのだと、このとき初めて分かった。日本で食べていたパッタイでは、そこまで意識したことがなかった。

この一皿が、旅の基準になった
滞在中にはミシュランの星がついた店にも行ったし、コロニアル洋館のタイ料理店にも行った。それでも帰国してから思い出すのは、このモールの中で食べたパッタイだった。
値段の高さと記憶の残り方は、必ずしも比例しない。
この日のメモ
- 店は「รสนิยม(ロスニヨム/ros’niyom)」。アイコンサイアム内
- 入口は青緑の鎧戸。店内のネオンに Thai street food / Noodles と出ている
- メニューは料理写真が大きく載っているので注文しやすい
- パッタイは麺の柔らかさと、添えられた野菜のシャキシャキした食感の対比がよかった
- この日は昼の十二時半ごろに入った
- メニュー・価格・営業時間は変わることがあるので、現地で確認を
同じ滞在ではIGNIVのシェアリングのコースやブルーエレファントのトムヤムクンも食べています。
※2025年8月訪問。価格・営業情報は訪問時点のものです。
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