インターコンチネンタル札幌 宿泊記|12階の窓から、川と山と、ドームが見えた

インターコンチネンタル札幌の客室。壁一面の横長の窓から札幌の街並みと山並みが見える 旅行

結論から書く。このホテルは、高層階を指定しなくていい。

泊まったのは12階前後、客室フロアのちょうど真ん中あたりだった。それでも窓の外には豊平川が流れ、その向こうに山並みが重なり、遠くに札幌ドームの輪郭まで見えた。眺めを決めているのは階数ではなく、窓そのものの大きさだ。

予約画面を見ていると「高層階指定」のプランが並んでいて、同じクラシックルームでも一段高い値段がついている。迷う人は多いと思う。同じブランドのANAインターコンチネンタル東京に泊まったときも似たことを考えたけれど、ここでの私の答えは、中層階で十分、である。

インターコンチネンタル札幌の客室。壁一面の横長の窓から札幌の街並みと山並みが見える
12階の客室。窓は壁の一面をほぼそのまま使っている

12階の窓から見えたもの

カーテンを開けて最初に思ったのは、窓が大きい、ということだった。

視界の手前を豊平川が横切っていく。その奥に山並みがあり、さらに遠く、街の向こうに札幌ドームが小さく見えた。川と山が同じ一枚の窓に収まっている。札幌という街が、平野の真ん中にあって、すぐ外側を山に囲まれているのだということが、この一枚でわかる。

気持ちが良い、という言葉を使うのはあまり好きではないのだけれど、このときばかりは他に言いようがなかった。

窓が大きい、という設計の意味

高層階か中層階かで迷う人に伝えたいのは、このホテルの眺めは「標高」ではなく「開口部」で成立しているということだ。

客室は9階から14階にある。つまり客室フロアの幅は6層しかない。最上階と最下階の差は、せいぜいビル2〜3階ぶんの高さでしかなく、それだけで見えるものが劇的に変わるとは考えにくい。

一方で窓は、壁の一面をほぼそのまま使った横長で、腰の高さあたりから天井近くまで抜けている。窓際には丸いテーブルと椅子、その隣に長いソファが置かれていて、どこに座っても外が視界に入る。立ち上がらなくていい。覗き込まなくていい。これが効く。

高層階指定のプランは、同じ日程・同じ部屋タイプでも一段高い。その差額は、ラウンジか食事に回したほうがいいと思った。

バスルームは、洗面と浴室とトイレが分かれている

ここは書いておきたい。洗面台、浴室、トイレが、それぞれ別の区画になっている。

洗面は独立したカウンターで、横に長い鏡と、角度を変えられる拡大鏡がついている。浴室はガラス張りで、その中に浴槽とレインシャワーの洗い場が同居している。トイレは引き戸で仕切られた個室で、手洗いが別についている。

海外ブランドのホテルは、浴槽とトイレが同じ空間に収まっていたり、ガラス一枚で寝室とつながっていたりしがちで、落ち着かないことがある。ここはその点で、日本のホテルの作法に寄せてある。二人で泊まって、片方が風呂に入っている間にもう片方が顔を洗える。この当たり前が、当たり前にできる。

客室のバスルーム。独立した洗面カウンターと、ガラス張りの浴室にレインシャワー
洗面は独立したカウンター。奥のガラスの中に浴槽とレインシャワーの洗い場がある
引き戸で仕切られた独立したトイレと手洗いカウンター
トイレは引き戸の個室。手洗いが別についている

部屋の中の、こまごまとしたもの

ミニバーのキャビネットは、扉を開けるとボトル類とグラス、コーヒーマシン、そして茶器が並んでいる。中に照明が仕込んであって、開けた瞬間がきれいに見えるように作られている。こういうところで手を抜かないホテルは、だいたい他も抜かない。

全室42平米以上という設計なので、面積で不満の出る部屋はない。ウェスティンホテル東京のいちばん狭い部屋がちょうど42平米で、あれを下限だと思っておけばいい。

客室のミニバーキャビネット。ボトル類とグラス、コーヒーマシン、茶器が並ぶ
ミニバーは照明入り。茶器とコーヒーマシンが同居している

車で行くと、どうなるか

今回は車で入った。

車寄せでスタッフと一度言葉を交わし、案内されたのは平地の駐車場だった。都心の高級ホテルというと、地下に潜って機械式のパレットに載せる——あの一連の手順を想像していたので、これは意外だった。立体でも機械式でもなく、平面に停める。料金は宿泊者向けに1泊あたりの定額制になっている。

車高のあるSUVやミニバン、スキーキャリアやルーフボックスを積んだ車にとっては、これはかなり大きい。機械式駐車場は車高制限で弾かれることがあるからだ。北海道を車で回る旅程に、このホテルをそのまま組み込める。

東京のウェスティンホテル東京はバレーパーキングで、係員に鍵を渡してしまえばあとは何も考えなくていい。あれはあれで良かった。札幌のこれは方式が違うけれど、平面に停められるという別の安心がある。

札幌ドームへは、車で行った

今回の滞在の目的のひとつは、札幌ドーム(愛称:大和ハウス プレミストドーム)でのコンサートだった。

部屋の窓から会場が見える、という宿はそう多くない。朝、カーテンを開けて今日行く場所が視界に入っている、という体験は、思っていたよりも効く。

移動は車にした。ホテルに平地の駐車場があるということは、車の出し入れがしやすいということでもある。公演の前後で車を動かす前提なら、ここは素直に効いてくる。

地下鉄を使う場合は、中島公園駅から南北線で大通へ出て、東豊線に乗り換えて福住駅。そこから徒歩で10分ほど。乗り換え1回、徒歩を含めて30分前後を見ておけばいい。

ドーム公演の前泊・後泊でホテルを探している人は、どうしても福住駅周辺か札幌駅前かの二択で考えがちだ。中島公園という第三の選択肢は、公演前後の時間の使い方が変わる。

すすきのへは、タクシーで出た

夜はすすきのまで出た。歩けない距離ではない。ホテルは南10条西1丁目、すすきのの中心は南4条あたりだから、六丁ぶん北へ上がるだけで、歩いて10分少々の距離だ。

それでも今回はタクシーにした。歩ける距離であることと、実際に歩くかどうかは別の話だ。十月末の札幌の夜は、散歩が楽しい気温ではない。

逆に言えば、タクシーなら数分で着く位置にある、ということでもある。繁華街の音は部屋まで届かないのに、繁華街には数分で出られる。この距離の取り方が、このホテルの立地の本質だと思う。マンダリン オリエンタル 東京が日本橋の真上に建っているのとは、街との間合いの取り方がまるで違う。

9階のロビー

ロビーは9階にある。エレベーターを降りると、黒い水盤が一直線に伸びていて、その縁に白い砂利が敷かれている。壁一面は細かい格子のスクリーン。奥には木が植えられた小さな庭があり、季節の花をかたどった大きなオブジェが宙に浮かんでいた。石をそのまま丸くしたような、布張りのスツールがいくつか置かれている。

北海道の自然を抽象化した、という言い方をされるのだろうと思う。実際、水と石と木と格子しかない。けれど地上からエレベーターで9階まで上がってきて、扉が開いた先がこの静けさだ、という順番が効いている。街の音を、物理的に下に置いてこられる。

インターコンチネンタル札幌9階のロビー。黒い水盤と白い砂利、格子のスクリーン
9階のロビー。黒い水盤が一直線に伸びる
ロビーの植栽と、季節の花をかたどった大きなオブジェ
水盤の奥の庭。季節の花をかたどったオブジェが宙に浮いている

料金の目安

注:以下は私が実際に支払った金額ではありません。公開情報と旅行予約サイトに出ている実勢価格をまとめたものです。時期・曜日・予約経路で大きく動きます。

部屋タイプ1泊の目安(1室)
クラシック(通常フロア)6〜9万円
クラシック(高層階指定)9〜10万円
プレミアム(クラブラウンジ付)14〜18万円
ジュニアスイート(クラブラウンジ付)25〜27万円
スイート(1ベッドルーム・高層階)38〜39万円
セレニティスイート(約160平米)45万円

最上級の「セレニティスイート」が1泊45万円というのは、開業時の報道で出ている数字だ。

この表で言いたいのは一点だけで、クラシックの通常フロアと高層階指定の差額である。ここに数万円を足す前に、この記事の冒頭に戻ってほしい。12階で、川も山もドームも見えた。

アクセスと基本情報

  • 所在地:北海道札幌市中央区南10条西1丁目1-48
  • 最寄り駅:札幌市営地下鉄南北線「中島公園駅」1番出口から徒歩約4分
  • 建物:複合ビル「ライラックスクエア」の9〜14階
  • 開業:2025年10月1日
  • 客室数:149室(うちスイート13室)/全室42平米以上
  • ダイニング:Sawaka(カウンター12席のおまかせ)、AuBlanc(オールデイダイニング/ベーカリー。豊平川を望む)、Norva Lounge & Bar
  • 9階:ロビーラウンジ(暖炉・屋外テラス)、20mの屋内温水プール
  • 最上階:クラブインターコンチネンタル ラウンジ
  • フィットネス:24時間
インターコンチネンタル札幌のエントランスサイン。石壁に金色のロゴ
エントランスのサイン。足元から間接照明が当たる

まとめ

  • 高層階指定にお金を払う前に考えてほしい。12階でも、豊平川・山並み・札幌ドームが一枚の窓に収まる。このホテルの眺めは階数ではなく窓の大きさでできている
  • 洗面・浴室・トイレが分かれている。二人で泊まっても動線がぶつからない
  • 平地の駐車場がある。車高の高い車でも入れて、1泊定額。北海道をドライブで回る旅程に組み込める
  • ドーム公演の前後泊として、福住でも札幌駅前でもない第三の選択肢になる。車で動くなら特に
  • 客室は全室42平米以上。面積で不満の出る部屋はない

次に泊まるなら、クラブフロアにする。眺めは中層階で足りることが分かったので、今度はその差額を最上階のラウンジのほうに払ってみたい。

よくある質問

最寄り駅からどれくらいですか

札幌市営地下鉄南北線「中島公園駅」1番出口から徒歩約4分です。

高層階を指定したほうがいいですか

客室フロアは9〜14階の6層しかなく、最上階と最下階の高低差はビル2〜3階ぶんです。私は12階前後に泊まりましたが、豊平川、山並み、遠くの札幌ドームまで見えました。差額は食事やラウンジに回すほうが満足度は高いと思います。

バスルームはどうなっていますか

洗面台、浴室、トイレが別々の区画に分かれています。浴室はガラス張りで、中に浴槽とレインシャワーの洗い場があります。トイレは引き戸の個室で手洗い付きです。

駐車場はありますか

あります。車寄せでスタッフとやりとりをしてから停める流れで、機械式や立体ではなく平地の駐車場でした。宿泊者向けに1泊あたりの定額制です。車高のある車でも入れます。

札幌ドームのコンサートに行くのに便利ですか

便利です。私は車で往復しました。地下鉄なら中島公園駅から南北線で大通へ出て東豊線に乗り換え、福住駅下車、徒歩約10分。乗り換え1回、30分前後です。部屋の窓から会場が見えるのは、このホテルならではだと思います。

すすきのまで歩けますか

歩いて10分少々の距離です。ただし私はタクシーを使いました。十月末の夜は、歩ける距離であることと実際に歩くかどうかが別になります。

客室はどれくらいの広さですか

全室42平米以上です。149室のうち13室がスイートです。

宿泊料金はどれくらいですか

クラシックルームで1泊6〜9万円(1室)、クラブラウンジ付のプレミアムで14〜18万円が目安です。最上級のセレニティスイート(約160平米)は1泊45万円と報じられています。いずれも時期と予約経路で大きく変わります。

あわせて読みたい

出典

  • 開業日・最上級スイート価格:北海道新聞(2025年10月1日)
  • 階数・客室数・客室面積・ダイニング・プール・ラウンジ:トラベルWatch、IHG発表資料
  • 札幌ドームの愛称「大和ハウス プレミストドーム」:命名権に関する発表(2024年7月19日)
  • 料金の目安:旅行予約サイトの実勢価格(2026年10月時点)

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