この記事のタンチョウとシマエナガの写真には、四隅に丸いケラレが入っています。望遠鏡の接眼レンズにスマホを押し当てて撮っているからです。
冬の道東で野鳥を撮るというのは、要するにこういうことでした。良いカメラを持っていくかどうかより、スコープを覗ける状況にいるかどうかで結果が決まります。
屈斜路湖は、縁だけ凍っていた

屈斜路湖は弟子屈町にある日本最大のカルデラ湖で、阿寒摩周国立公園の中にあります。平均水深28.4メートル。
2月には全面結氷して、御神渡り——氷が押し合って盛り上がる鞍状の隆起——が現れます。総延長5〜10kmに及ぶ、国内最大級の規模のものです。ただしこの日は、写真のとおり縁に氷が張っている程度でした。結氷は年と時期によります。
湖畔は温泉が湧いていて、そのぶん凍らない場所が残ります。オオハクチョウが集まるのはそういう一角です。
タンチョウは、スコープ越しに見る

タンチョウが4羽。赤い頭頂と、黒白の羽がはっきり分かります。
ただ、この距離感は肉眼でも一般的な望遠レンズでもなく、望遠鏡ごしの視野です。四隅が円く落ちているのがその証拠。ガイドが据えたスコープを順番に覗かせてもらい、その接眼部にスマホを当てる。これがいちばん確実に「見える写真」になりました。
野生動物なので、餌をやらない、近づきすぎない、という前提は当然として——近づけないからこそ、光学の力を借りるという順番になります。
シマエナガは「探す」のではなく「餌台で待つ」

この写真がいちばん実用的かもしれません。雪の林に、屋根のついた木製の餌台が立っています。
シマエナガは林の中を高速で移動するので、歩き回って探すのは効率が悪い。餌台の前で待つほうが確実です。写真の周囲に残った足跡は、同じことを考えた人たちのものです。

そして来ました。緑のネット(獣脂を入れる給餌器)につかまっている白い個体です。この写真も四隅が丸い——やはりスコープ越しです。
- シマエナガはエナガの亜種で、北海道に分布する
- 全長14cm。スズメより小さく、そのうちかなりの部分が尾
- 冬はカラ類の混群について動き回る。シジュウカラやハシブトガラの群れの中に混ざっていることが多い
- 枝先にぶら下がるようにして採餌するので、一か所に留まらない
「雪の妖精」と呼ばれますが、実物は驚くほど小さくて、驚くほど落ち着きがない。止まっている時間が短いので、シャッターを切るというより、来た瞬間に押す感じでした。
天気に全部持っていかれる

道東の冬は、晴れれば光がまっすぐ届き、曇れば一日中うすぐらい。野鳥の写真は光量がすべてなので、天気で結果が変わります。
だから日程は、可能なら余裕を持たせたほうがいい。一日勝負にすると、曇っただけで何も撮れずに終わります。
持ち物として効いたもの
- スコープを覗ける状況:ガイド付きのツアーがいちばん手っ取り早い
- スマホ:接眼レンズに当てて撮る。専用アダプタがあればなお良い
- 予備の電池/モバイルバッテリー:氷点下では減りが早い。内ポケットで温めておく
- 防寒:防水のブーツ、厚手のコート、手袋、帽子、ネックウォーマー。レンタルできるツアーもある
- 双眼鏡:撮らずに見るだけなら、これがいちばん楽しい
まとめ
- タンチョウもシマエナガも、望遠鏡越しに見るのが現実的。写真の丸いケラレはその証拠
- カメラの性能より、スコープを覗ける状況にいるかどうかで決まる
- シマエナガは歩いて探すより、餌台の前で待つほうが確実
- 全長14cm、スズメより小さく、止まっている時間が短い
- 屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。2月には全面結氷して御神渡りが出るが、結氷は年による
- 天気で結果が変わるので、日程には余裕を
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