台北の宿選びは、ホテルのグレードより「どの駅か」で決まる。台北喜來登大飯店(シェラトン・グランド台北)に泊まってはっきりしたのはそこだった。MRT板南線・善導寺駅という位置が、そのまま一日の動線になる。

1981年開業。名前は3回変わっている
検索すると古い名前が混ざって出てくるので先に整理しておく。この建物は1981年に「來來香格里拉大飯店」として開業し、1983年にシェラトンが運営に入って「來來喜來登」、2002年から現在の「台北喜來登大飯店(Sheraton Grand Taipei Hotel)」になった。台湾で最初のシェラトンで、2005年に全面改装を受けている。
- 規模:16階建て・688室
- 住所:台北市中正區忠孝東路一段12號
- 最寄り:MRT板南線 善導寺駅
- 館内:レストラン・バーが8軒(広東料理「辰園」、ビュッフェ「十二廚」、ステーキ「安東廳」、タイ料理、日本料理、ナポリピッツァ協会認定のピッツェリアなど)
写真は上階から吹き抜けを見下ろしたところ。1980年代の大型ホテルらしくロビー階が縦に抜けていて、下にレストランの客席が広がる。最近のホテルにはあまりない構造で、部屋に戻る動線から館内の様子が一望できる。
客室と浴室は「1981年の骨格+2005年の改装」

部屋は木のパネルで壁を作り、額装の絵を掛ける古典的な構成。奥にアームチェアと丸いサイドテーブルが置かれ、ベッド脇に「座れる場所」が独立して確保されている。近年の狭い都市型ホテルでいちばん削られる部分がここなので、実際に泊まると効いてくる。

浴室はグレーの石張りで、浴槽とシャワーブースが分かれている。台北の同価格帯だと浴槽なしやユニット式も珍しくないので、湯に浸かりたいなら明確な差になる。擦りガラスに枝の意匠が入っているあたりが2005年改装の年代感だ。
板南線1本で西門まで — これが立地の答え
善導寺という駅名は日本からの旅行者に馴染みが薄いが、板南線(ブルーライン)の駅だという一点で価値が決まる。
- 善導寺 →(1駅)→ 台北車站 →(1駅)→ 西門
- 乗り換えなし。夜遅くなっても1本で帰れる
- 台北車站が隣なので、桃園空港MRTや高鉄への接続も1駅
台北観光の主要な行き先はこの路線に集まっている。宿から西門町までが乗り換えゼロという条件は、荷物を持った初日と、疲れている最終日にそのまま効く。
西門町のレインボー横断歩道は「消えた」情報に注意

西門駅6番出口の前にある彩虹地景(レインボー横断歩道)。2019年9月に設置された全長13.2mの恒久的な地上景観で、いまや西門町を代表する撮影スポットになっている。
ただし検索するときは注意が要る。2025年7月8日、塗装の劣化にともなう塗り直しのためいったん撤去され、路面を削ってから塗料を定着させるまで14日空ける必要があったこと、さらに梅雨の長雨が重なったことで工期が延びた。復活したのは同年8月中旬だが、「西門町の虹が消えた」という当時の記事がいまも上位に残っている。行けばあるので、古い記事に惑わされないでほしい。
もう一方の台北 — 日本統治期の木造家屋を使った茶藝館

同じ日に行ったのが、日本統治期の木造家屋をそのまま使った茶藝館。竹を編んだ網代天井、細い桟が並ぶ木製の窓、土間のような床。台北にはこの手の日本家屋を転用した茶館がいくつも残っていて、建物自体が展示物になっている。

お茶は紫砂の急須に茶海(ピッチャー)、細長い聞香杯という一式で出てくる。聞香杯は飲むためではなく香りを移して嗅ぐための杯で、飲杯に移したあと空の聞香杯を鼻に近づける。茶菓子は絵皿に円形に並べて供された。
注文して座れば1〜2時間は当たり前に過ごせる場所なので、西門町のあとに入れるなら夕方が向いている。買い物で歩き回ったあと、座って湯を足しながら休む——この落差が、台北の一日をよく締める。
まとめ
- 台北喜來登は1981年開業・688室。名前が3回変わっているので古い記事に注意
- 立地の本体は板南線・善導寺駅。西門まで乗り換えなしで2駅
- 客室はベッド脇に座る場所があり、浴槽とシャワーが分かれている
- 西門町の彩虹地景は2025年8月に塗り直して復活済み。「消えた」記事は古い
- 茶藝館は時間を使う場所。買い物のあと、夕方に回すと効く
高級ホテルの記事は設備の列挙になりがちだが、実際に旅程を左右したのは駅名ひとつだった。台北で宿を選ぶなら、まず路線図を開いてほしい。
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