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「ラブブ」と呼んでいるその人形、公式名にラブブとは書かれていない

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ホテルの窓辺に座らせて1枚撮った。SNSに上げれば「ラブブ」で通る写真だが、この人形の公式な製品名に「ラブブ」とは書かれていない。調べてみたら、名前まわりが思っていたよりずっと入り組んでいた。

ホテル客室の窓辺のベンチに座る、うさぎ耳のフードをかぶった白いぬいぐるみ。窓の外に東京タワーと高層ビル群
窓辺のベンチに置いたところ。背景は東京タワー

公式名は「THE MONSTERS – ANGEL IN CLOUDS」

POP MART公式の製品ページを見ると、名称は「THE MONSTERS – ANGEL IN CLOUDS Vinyl Face Doll」キャラクター名が入っていない。入っているのはシリーズ名の「THE MONSTERS」だけだ。

  • 公式サイズ:33×25×58cm
  • 素材:外装はポリエステル/PVC/ABS、中綿はポリエステル中心
  • 対象年齢:15歳以上

ところが実際の流通では、同じ商品が「ラブブ」と呼ばれたり「Zimomo(ジモモ)」と表記されたりする。並行輸入や個人売買のページでは両方の名前が併記されていることすらある。買う側が混乱するのは当然で、公式が名前を出していないのが出発点だ。

見分け方は「歯」と「しっぽ」

THE MONSTERSのキャラクターを見分ける手がかりは、実はかなりはっきりしている。

  • ラブブ9本の尖った歯でニヤッと笑うのが最大の特徴。女の子
  • ジモモ(Zimomo) — THE MONSTERSのリーダー格で、尖ったしっぽを持つ。ラブブにしっぽはない

この基準で写真の顔を見てみる。うさぎ耳のフードから覗いているのは大きな丸い目と、ほとんど閉じた小さな口歯は1本も見えていない。少なくとも「9本の歯でニヤッと笑うラブブ」の顔ではない。

つまり「ラブブを買った」と言うとき、その多くは厳密にはラブブではない可能性がある。ANGEL IN CLOUDSのようにキャラ名を明示しない商品では、なおさらだ。気にしない人は気にしなくていい話だが、フリマで買うときは効いてくる。歯の本数としっぽの有無は、写真で確認できる数少ない客観的な手がかりだからだ。

「中国発のキャラクター」という説明は、順序が違う

THE MONSTERSの出自もよく取り違えられている。正確な順序はこうだ。

  • 作者はKasing Lung(龍家昇)1972年生まれ、香港出身のイラストレーター
  • キャラクターのデビューは2015年。初期のフィギュアは香港のHow2Workが製造
  • 絵本シリーズ「THE MONSTERS」の下敷きは、作者が子どもの頃に親しんだ北欧の民話・神話
  • 中国のPOP MARTが協業を始めたのは2019年。世界的な流行はそのあと

香港の作家が北欧民話から作ったキャラクターを、2019年から中国のPOP MARTが展開した——これが正しい並びだ。「中国発」という一言で済ませると、2015年からの4年間と、北欧という出どころが丸ごと消える。

58cmを旅に連れて行くという行為について

公式サイズは高さ58cm。抱えて歩けるが、スーツケースの容量はそれなりに持っていかれる。持ち歩く前提なら、そこは覚悟がいる。

その代わり、撮影地としてのホテルの窓辺は相当に優秀だ。理由は3つある。

  • 横から自然光が入る。天井照明だけの室内と違い、顔に影が落ちない
  • ベンチの座面が台になる。床置きだと見上げる角度になるが、窓辺なら人形の目線が自然な高さに来る
  • 背景に街が入る。この写真なら東京タワーで、撮った場所が一目で分かる

窓辺のベンチは奥行きがあるので、置いても倒れない。被写体の高さ・光・背景の3つが1か所で揃う場所は、旅先でもそう多くない。

まとめ

  • この人形の公式名は「THE MONSTERS – ANGEL IN CLOUDS」公式にキャラクター名は書かれていない
  • 見分ける手がかりはラブブ=9本の尖った歯/ジモモ=尖ったしっぽ
  • 写真の個体は歯が見えていない。「ラブブの顔」ではない
  • 出自は香港のKasing Lung+北欧民話、2015年デビュー、POP MARTは2019年から
  • 公式サイズは58cm。窓辺のベンチは、高さ・光・背景が同時に揃う数少ない撮影地

人形そのものより、名前と出どころのほうが調べがいがあったというのが正直なところ。買う前に歯としっぽだけ確認しておけば、少なくとも「思っていたのと違う」は避けられる。

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