可愛らしさと美しさが溶け合う空間には、その国の文化が繊細に息づいている。明洞の熱気と静かな記憶を、娘との旅路に重ねて。
■ 韓国的エレガンスの今を感じる — emis明洞店
ソウル・明洞に構える「emis」は、韓国の若者たちに絶大な人気を誇るブランド。白を基調とした店内は、視線と動線が自然に導かれるよう設計され、ディスプレイには韓国的な“可愛さ”と“凛とした美しさ”が同居していた。
娘は、ひとつひとつのアイテムに目を輝かせながら、楽しそうに試着を繰り返す。キャップ、ヘッドバンド、Tシャツ、アームカバー。どれもシンプルだが、ディテールが美しく、品がある。
「ぜんぶ欲しい」と笑う姿に、若さの衝動と、その選択を応援したくなる親心とが重なった。
■ 明洞の路地で甘さと笑顔を拾う — いちご飴と屋台通り
emisでの爆買いの余韻を胸に、私たちは屋台が立ち並ぶ通りへと足をのばす。香ばしい揚げ物の匂いと甘い砂糖の香り、観光客と地元の若者の笑い声。
娘が目を奪われたのは、艶やかないちご飴。赤く光る果実が、飴の衣をまとってキラキラと並んでいた。「これが食べたい」と迷わず指差し、笑顔で頬張る姿に、旅の幸福が凝縮されていた。
子どもにとっての旅は、こういう瞬間の連続なのかもしれない
■ Private Wisdom的まとめ
明洞の街は、単なる“流行の発信地”ではなく、そこに集う人々が映し出す「いま」の鏡だった。emisの感性、屋台の喧騒、娘の無邪気な選択。
どこかで懐かしく、それでいて新しい。そうした体験を、私たちは“贅沢”と呼ぶ。
感性の共有こそが、もっとも静かで豊かな旅の記憶となる。